2010年度のトレーニングふりかえり

2009年9月〜2010年8月が俺的2010年度なわけで、振り返り。まずはTraining Stress Score(TSS)とCritical Power(CP。FTPと言い換えても可)の推移。
横軸は2009年9月1日〜2010年8月31日の時間軸。縦軸の左側はCTL, ATL, TSBの値。縦軸の右側はCritical Power[W]。Critical Powerは同じ日に計測した5分と20分の最大平均パワーを元に計算。

これ以前の2008〜2009年度はCTLが40〜50前後と「トレーニングっぽいことはしてるけど頻度が低い」状態。なので数ヶ月間かけてCTLを>80以上に持っていった事で、CPが如実に向上した。2009年9月を基準に2010年6月の計測値を比較すると、
  • 2009-09-14  5MMP=275W, 20MMP=222W, CP=204[W], AWC=21,200J, Body Mass=53.0kg
  • 2010-06-22  5MMP=306W, 20MMP=251W, CP=232[W], AWC=22,000J, Body Mass=53.1kg
と、+28[W](約14%増)と華麗な成長っぷり。どんだけ乗ってなかったんだと。
「予想外の良いタイムが出たら、トレーニング量の減少を疑え」的な話しを聞きます。この図でも2009年11月下旬〜12月末まで間CTLが下降していく時、2009年12月8日に実施したテストで過去データに比してすこし良いテスト結果を得ていました。当然その後の2010年1月12日のテストでは下がったCTLを反映した低いテスト結果になっています。また2010年6月のテスト結果は、同様にボリュームが下がったことの現れと見ています。
あと、一見AWCも増えているように見えますが、テストの度に21,200〜22,800Jをフラフラ行ったり来たりしてるだけで向上は観測されていません。


今期印象深いのは2010年4月末〜5月下旬までの調子の良さと、2010年6月以降の調子の悪さです。それこそ5月は埼玉TTで未登録Cクラスで6位入賞でき、蔵王で(個人的には)良いタイムで走れたし、トレーニングのボリュームも稼げ、かつ60min@100%FTPなど強度の高めなワークアウトも楽にこなせていました。6月以降はMt.富士と美ヶ原以外は昨年と変わらないかむしろ悪いタイムと残念な結果に。
5月の好調については、2010年1月から継続して上昇させていたCTLを反映したのと、4月上旬の高いトレーニングボリューム〜4月下旬のやや低いボリュームによって、意図してなかったのですがいわゆる「ピーク」が発現していたのかなと想像。
6月以降の不調についてはうまく説明できていないのですが、生活習慣がまた夜型にシフトした事、あと貧血を疑っています。貧血については6月4日に実施した血液検査でフェリチン・血清鉄はあまり問題なさそうなものの、ヘモグロビン(Hb)の値が13.4g/dLと、過去の計測値14.0〜14.2g/dLからずいぶん低かったのを見逃していました。13.4g/dLは一般男性としてはぎりぎり正常値ですが、持久系競技選手としてはパフォーマンスを制限しうる問題のある値と認識してます。ただ、この点については2010年9月6日の血液検査の結果をもとにして結論したいのココロです。

ワークアウトの内容については2009年9月〜2009年11月の内容と、2010年1月以降ではちょっと内容が異なります。11月まではL2, L4, L6 or 7を織り交ぜたけっこうツメツメの内容。すこしずつ強度の高いトレーニングの努力感が減ってはいましたが、CTLのランプレートが高く疲労感が抜けなかった為に12月は失速してます。
2010年1月以降は悔い改めて、60〜80分のSSTを中心に組み立てました。1月末や3月頭に疲労がたまって失速しかけましたが、月ごとにCTLのランプレートを抑えたりしてなんとか4月までもっていった感じです。4月末からは埼玉TT対策で8分間のL5のワークアウトが増えましたが、基本的にはSSTが中心。しかしながら相変わらずローラーばかりで外は余り走らなかった。

ちなみに今期は2009年9月の計測値から「CPを+10%向上」を目標として達成はできました。計測してきたCP(この場合はFTPというか)はすばらしく直線的に向上してます。回帰分析したところ
  • 5MMPは週ごとに0.782[W]向上
  • 20MMPは週ごとに0.694[W]向上
  • CPは週ごとに0.665[W]向上
で推移していたようです。
もし有酸素運動能力が特定条件下である程度リニアに向上するものだとすると、「FTPが何%向上した」だと徐々に飽和というか「向上感」が減っていくことになります。もしかするとモチベーションを継続して維持するためには%ではなく「FTPが何ワット向上した」という視点で経過を観察すると「安定した向上感」を得られるのかもしれません。

この向上っぷりが来年も再現できたらいいんですけどね。あと上がった分をきちんとレースで発揮できるように、70分前後のTTをワークアウトにときどき組み入れたり、外を走ったり、暑い環境で走ったり etc...が必要そうです。