iBikeとSRMを用いたCdA計測のバラツキ具合

計測は誤差が含まれます。より速いポジション・機材を見つけるために空気抵抗係数を計るわけですが、誤差のことを考えないと
  • 実際には差が無いのに「このポジションの方が速い!」
  • 実際には差が有るのに「この機材には効果が無い!」
と誤った判断を下してしまう可能性が高くなります。


iBikeとSRMで空気抵抗係数(以下CdA)を計り、次の4つのCdAを得たとします。
  1. 0.2154m^2
  2. 0.2203m^2
  3. 0.2160m^2
  4. 0.2281m^2
最小0.2154から最大0.2281とそれぞれバラツキのあるデータです。例えばこれらのCdAで、仕事率232W、総重量65kg、駆動効率97.5%、転がり抵抗係数0.004で平坦路10kmを走ったタイムを計算するとそれぞれ次のような結果になります。
  1. 875.07sec (14分35.07秒)
  2. 881.34sec (14分41.34秒)
  3. 875.84sec (14分35.84秒)
  4. 891.15sec (14分51.15秒)
1番と4番のタイム差は16.08秒あります。別の見方をするためCdAの平均値0.21995で上記1〜4番のタイムになるパワーを推定すると、
  1. 236.27W
  2. 231.68W
  3. 235.70W
  4. 224.76W
と、最大11.51Wの差。こんな感じにこの4つのCdAには随分差があるわけですが、実はこれ全て同じ日、同じ場所、同じポジションで計ったCdAです。


同じポジションでもこれだけの差、誤差が現れるなら「2つのポジションのCdAを比較するためそれぞれ1回ずつ計った値を比較する」というやり方だと、最初に述べたような
  • 実際には差が無いのに「このポジションの方が速い!」
  • 実際には差が有るのに「この機材には効果が無い!」
という誤った判断を下してしまうことになりかねません。これだけで「iBike使えねー」と判断するのもこれまた誤り。ではどうするか? そのへんの話しはいつか気が向いたら(えっ)

気が向いた → 2つの異なる装備・ポジションにおけるCdAの違いを統計的に推論・推定する