SRMやPowerTapとかのパワーメーターを使っていると(主にTraining and Racing with Power Meterの読書は?)運動強度を表すのに"%FTP"とかよく使うけど、論文とかでは"%VO2max"とかのほうをよく見かける。LT付近ならまだわかりやすいけど低い運動強度の話題とかを読み砕くうえで「この%VO2maxを自分の%FTPで表すとどのへんの運動強度になるのか?」を具体的に把握してないといかんかな?という気がしたので調べてみた。
パワーから酸素摂取量(以下VO2)を推定するのにACSMのMetabolic Equationsの自転車エルゴメーターの場合の式
VO2[ml/kg/min] = (10.8 x W[watts] / M[kg]) + 7
VO2[ml/min] = 10.8 x W[watts] + 7 x M[kg]
VO2[L/min] = 0.0108 x W[watts] + 0.007 x M[kg]
VO2[L/min] = 0.0108 x W[watts] + 0.007 x M[kg]
をよく使ってるんだけど、そもそもこの式がどれくらい自分にフィットしてるのか確認したいなーと思ってたら、過去に東京体育館で5回VO2の計測してたのを思い出してそこから筆者個人の回帰式をだせばいーんじゃね?と気がついた。
5回の計測でそれぞれ得ていた
- 自転車エルゴメータ上で静止
- 20Wでウォーミングアップ
- AT到達の1分前
- AT
- RC
- PEAK(VO2max)
の6点の負荷(Watts)と酸素摂取量(VO2)をプロット。体重はいずれも52kg前後だったもよう。
6番目のVO2maxが現れるPEAKのところはVO2が頭打ちになった後なので、負荷とVO2の関係が崩れる。そのため回帰式を得るのに1〜5の点だけ使った。その結果
VO2[L/min] = 0.00895 x W[watts] + 0.4843
という式(黒色)を得た。参考までに同じ図にACSMの式(灰色)をプロットしたところ、実際よりも少し高いVO2を推定しているのがわかる。
で、この式を使うことで%FTPと%VO2maxの関係をより具体的に把握することができる。自分の場合5分間の平均パワーをVO2maxのパワーと仮定して計算してみると
Intensity Zone | %FTP | %VO2max |
---|---|---|
L1 | <=55% | <=49% |
L2 | 55..75% | 49..61% |
L3 | 75..90% | 61..71% |
L4 | 90..105% | 71..80% |
L5 | 105..120% | 80..89% |
L6 | 120..150% | 89..108% |
といったかんじになりましたとさ。L2〜3あたりの%VO2maxのイメージの修正が必要でござる。ちなみに同じ比較をACSMの式ベースでもやってみたけど、実用上はそんなにズレてないって印象でした。