乗鞍直前緊急企画:目標タイム別オススメスプロケット特集

ハイハイ。全日本マウンテンサイクリングin乗鞍に参加するみなさん。来週末が楽しみですね。僕はでませんがが。

全日本マウンテンサイクリングin乗鞍のコースを"一定ペース"で走った際の速度の分布を目標タイムごとにまとめました。これらの速度分布をもとにイイカンジに一定ペースで走りきるにはどんなギア比が必要なのか検討してみます。
今回対象にした目標タイムは

  1. 1時間0分
  2. 1時間10分
  3. 1時間30分
  4. 2時間0分
  5. 3時間0分

の5パターン。
乗鞍のコースをそれぞれの目標タイムでゴールできる一定のパワーで走った際の速度の推移を物理シミュレーションして調べました。パワーが一定なので急勾配では速度が低下し、緩斜面では速度が増加します。
シミュレーション中の速度の推移が見たい方は拙作脳内サイクリングの方を試してください。

速度の分布
さっそく速度の分布をみてみましょう。
1時間0分
1時間10分
1時間30分
2時間0分
3時間0分
これらの分布図から目標タイムごとに中心的な速度域や最大・最小速度が予測できます。例えば乗鞍の平均的なゴールタイムである1時間30分の場合、最低速7.5km/h、最高28km/h前後まで変化があり、ほとんどの時間を9〜15km/h周辺で走ることになります。

ギア構成
さてこれらの速度分布図を元に一定のケイデンスをキープして走るためのギアを検討します。それぞれの分布図にフロント30〜39T、リア11〜30Tのギアを装備し、80rpmで走った際の速度を重ねます。グラフの横軸が速度なのは共通で、縦軸は右側の目盛りで示すリアの歯数です。お手持ちのギアの歯数にあわせてグラフを読み取って頂けると幸い。

1時間0分
このへんのタイムで走る人なら前39T後28Tあたりでもカバーできてしまいそうです。34x25Tあたりかなぁ。

1時間10分
前39Tだとちょっとシンドイ。34x28Tか、できることなら34x30Tとかの方が安心。前30Tでも全然おかしくない。

1時間30分
平均的な参加者はこのへん。実はコンパクトのインナー前34Tで既にシンドイ。けっこうな時間を低ケイデンスで過ごすかダンシングして乗り切るか、という感じになる。前30T後30Tか、MTB用ドライブトレインの導入を検討を推奨。

2時間0分
30x30Tでも半分以上の時間ケイデンス80rpmを維持できない。この場合は大半の時間50rpm前後まで落ちることを受け入れるか、MTB用のフロント22Tなどの導入を検討してみると良いかもしれない。参考までにMTB用の前22, 24, 28Tを入れて80rpmで走ると次のようになる。
かなりイイカンジだけどこの場合でも低ケイデンスな時間帯が残るので、我慢するかダンシングで乗り切る必要がある。

3時間0分
ロード用のドライブトレインで80rpmを前提にするとスピードが乗る一瞬しか維持できない。こちらもMTB用のドライブトレインを検討すると次のようになる。
前22T後30Tや32Tとしても半分以上の時間で80rpmを維持することはできなくなる。ただし50rpmまでケイデンスを落とす前提ならば22x30Tがあればほとんどの時間をカバーできる。


もちろんケイデンスが落ちたからといって「即終了」などというわけではなくて、まぁよくある状況なきもします。ただ最初から最後までイイカンジに出し切ってゴールしたいのであれば、極力それを避けるように速度分布に応じた適切なギアを用意しておいたほうが良いと思っています。準備の時間はあんまないですけどね(酷