今週からDash CyclesのサドルStage.9を試しています。
軽量サドルとして注目されるDash Cyclesのサドルですが、今回は軽さを求めてはいません。TTのエアロポジションでの練習量を確保すべく、サドルの快適性改善を期待してポチりました。結論として
これは良いものだ。ただしTTにおいて。
このサドルは通常のサドルとは異なり、TTやTriのエアロポジションでの快適性を前提に設計されています。通常のサドルが坐骨と坐骨〜恥骨にかけてのスロープで座るのに対し、このサドルは主に恥骨の前で"座り"ます。
恥骨前に位置する軟組織をイイカンジに避けて、両側の恥骨をイイカンジに保持してくれます。私は腰を湾曲させずペタッと寝かせて乗りたい(というか曲げられない)骨格なので、こういった設計はとても助かります。しかしながら腰を湾曲させたい人はまた違った印象を持つかもしれません。
股関節からそのまま上体を折り曲げるの図 |
TTのポジションではとても快適です。期待通りです。しかしロードで大きくアップライトなポジションをとると坐骨がサドルシェルにぶっ刺さります。この点をDash Cyclesに問い合わせたところ「そういう設計。Stage.9はTTのポジションで快適で、かつその姿勢を強要するよう設計している。ちなみに別モデルのStrike.9はTTもアップライトもカバーするよ」というお返事。大丈夫だ問題ない。
Stage.9はサドルの幅、パッドの厚さ、カバーと刺繍の色、レールの色などを指定できます。今回は
- Cover: White
- Logo: Black
- Rail Color: Very Dark Dark Blue
- Pad: Triple Layer
- Wide: Standard
- Rider Weight: Under 65kg
さらにサドルレールを通常より後ろにオフセットして取り付ける注文をした。もともとはかなり前寄りにレールがついている製品なのですが、私の使い方だと前すぎる恐れがあったので相談したところ「レールの長さは変えられないけど取り付け位置は動かせるよ?」と返答を頂きそれをお願いすることに。
年末に注文して2週間ほどで到着。できあがり結果をFizik Aresと並べるとこんな感じ。普通のサドルと同様な調整範囲に収まりそうです。
これまでTTではFizik Aresを使っていて、恥骨前方の軟組織を避けて、恥骨の左側をサドル先端に乗せるような乗り方をしていました。TTで走る時間程度ならば体の保持に困りませんが、普段体重をかけていない一カ所に負担が集中するためか練習と平行してデキモノ対策を常に要求されていました。また、特にパワーを大きくかけない場面では決して快適とは言えないため、練習量の確保にも難がありました。冒頭でStage.9に軽さは期待していないと述べたのはこの点の改善を期待してのこと。もちろん期待通り。
ちなみに受け取ったモデルは実測98g。軽さの秘密はサドルシェルとレールを一体成形してるあたりでしょうか。もちろんパッドの薄さもあるんでしょうけど。
ほかにもいくつか質問をしていて
Q. 購入時に"Rider Weight: Under 65kg"を選択したけど、体重制限とかどうなるの?
A. その場合85kg。指定された体重に応じてシェルのレイアップを変えている。シェルの柔軟性が変わる。
Q. サドルレールの締付けトルクって上限決めてる?
A. カーボンペーストをつけて7Nmくらい。個人的には5〜6Nmくらいで使ってる。
Q. これ壊れたら修理ってできるの?
A. 2年間のクラッシュリプレースメントプログラムがあるよ。壊れたら$100で交換するよ。
という内容でした。
エアロポジションでの快適性を追求したサドルとしてはismやCobb Cyclingの製品が知名度ありますが、そちらは試したことがありません。Stage.9を選んだ理由はカッコ良さげだったから。あとは変なものをつくる小規模生産者が大好き、というのがあります。
なんつーか「指でちょちょっと曲げました」的な愛らしいサドルレール。小規模生産者大好きです(2回目)