FTPはATとRCの狭間にて?

迫る仕事の締め切りから逃避する連続投稿。 ←最低だ


パワートレーニングにおける負荷区分の原点であるFTPは、AT(無酸素性作業閾値)とRC(呼吸性代償点)の間で観測されるみたい。少なくとも私の場合。

FTP(Functional Threshold Power)はパワーメーターを使ったトレーニングにおいて、具体的なワークアウトの負荷区分(Level 1から7)を決定する重要な指標として使われていますよね。よその事情は知らないけれど、自転車のトレーニングでは多くのケースで「1時間のタイムトライアルにおける平均仕事率」をFTPとしている模様。

同様にAT(Anaerobic Threshold)も持久性スポーツのトレーニングにおける、ワークアウトの負荷区分の指標として、LT(Lactate Threshold)などと共にけっこうカジュアルに使われる指標。「ATペースで〜」や「AT以下の負荷で〜」とかよく出てきますよね。AT自体の曖昧さや用語としての扱いにくさは別の機会に書き下すとして...

もういっこ別の生理反応の指標としてRC(Respiratory compensation point, 呼吸性補償作用)ってのもありますよね。LT(ATでもいいや)以降に血中乳酸濃度が増加する際に体が酸性に傾くのを押さえる作用(CO2排出etc)が働きますが、この局面をisocapnic bufferingと言うらしいですが、それがおっつかなくなり更に酸性に傾くの押さえる作用としてさらに呼吸が増えるそうです。この呼吸が急激に増える(過換気)のあたりがRC。ってかんじが私の理解。


さて本題。パワートレーニングで使われるLevel 4の負荷は、生理反応におけるisocapnic bufferingの領域と一緒じゃね?よってFTPを発揮する際の生理反応はATとRCの間に収まるんじゃね?という仮説。

Training and Racing with a Power Meterで語られるパワートレーニングではFTPの91から105%(91-105%FTP)の負荷をLevel 4(Lactate Threshold)と定義しています。ちなみに76-90%FTPをLevel 3(Tempo)、106-120%FTPはLevel 5(VO2max)です。同様に参考値としての心拍数はFTP時の心拍数を100%FTHとして、Level 3が84-94%FTH、Level 4が95-105%FTH、Level 5が106%FTH以上と同書で上げられています。

で、僕の場合。FTP(20minTTじゃなくて60minTT)計測時の平均心拍数が大体174 bpm周辺で、これは87%HRmaxです。2008年11月4日に東京体育館で行った心肺運動負荷試験では最大心拍数199 bpm(VO2maxは61.5ml/min/kg)、ATの心拍数は162bpm(76%VO2max)で、RCは188bpm(95%VO2max)です。これらの心拍数は93-108%FTHであり、Level 4の参考心拍数95-105%FTHと近似しています。

ここで私の悪い癖「深読み(笑)」を発病し、次のように理解してみる。

  1. 生理反応であるATとRCの間でパフォーマンスであるFTPが現れるんじゃない?
  2. "Level 4"はATとRCの間のisocapnic buffering中をターゲットにした負荷なんじゃない?

とりあえずサンプル数1(自分自身)という状態での素人仮説なのでよくわかりませんが。