VO2maxとFTP。あとHRmaxと。

パワーメーターを使ったトレーニングの指標としてFTPが使われますが、似た指標として酸素接種水準維持能力って指標もありますよね。一定の強度と時間で運動した際に最大酸素摂取量(VO2max)の何割の酸素摂取量(%VO2max)で運動できるかってもの。1時間のタイムトライアルでのペースで%VO2maxを計測する際、その仕事率は(最大努力してれば)FTPですよね。

%VO2maxもトレーニング強度の指標に使われるようですが、一般人が手軽に使える計測器が無いので使いにくい指標なのが現状。心拍計やパワーメーターを使ったトレーニングが人気?なのは、手軽で運動中に邪魔にならずに携帯できるモバイルな計測機器が安価に流通しているからというのが根本的な理由だと思っています。


トレーニングの指標として心拍数(%HRmax)、酸素摂取量(%VO2max)、仕事率(%FTP)などなどが運動強度の指標として使わますが、それぞれ計測する対象が違う点に注意が必要かなと。

  • 心拍数は特定強度と時間を持続する際の、さまざまな生理的反応の総合的な結果。
  • 酸素摂取量は特定強度と時間を持続する際の、さまざまな生理的反応の結果。
  • 仕事率は特定強度と時間を維持する際の仕事率。

「さまざまな生理的反応の総合的な結果」と「さまざまな生理的反応の結果」って表現と正確性をちょっと悩んだんですが察してください :-)
心拍数に限らず生理的反応は意味が違っていたり、個人差(血中乳酸濃度の"第二の閾値"が4mmol/lじゃない人がいたりetc...)のある指標があったりと、取り扱いが実は難しいと思うんですよ。反面、特定作業の結果としての酸素摂取量はより変数が少なく、仕事率はさらに個人差とか関係なくダイレクトにパフォーマンスを観測するので明確である、って点が違いますよね。苦しいトレーニングの負荷を決定する指標としては、変数が少ないほど信頼できて指標として好まれるんでしょうね。

ところが変数が少なくダイレクトにパフォーマンスを観測するための機器は、パワーメーターとかの価格を考えると、一般人にはまだ安価とは言えない物ですよね。反面、さまざまな生理反応の総合的な結果である心拍数を観測するハートレートモニタが安価に流通しているという現状がなかなか悩ましくも面白いなぁと思うわけです。


おや、なんだか心拍数劣勢?にも見えますが、パワートレーニングの方法論も人間の生理的な反応に関する研究の積み重ねを土台にして作られた方法論の一つなので、心拍数を起点としたトレーニングの「使いやすさ」は決して変わらないんじゃないかなーって気がします。心拍数ベースのトレーニングの信頼性をどう高めるか?という点はいろいろ面白そうです。
あーでもきちんとしたテスト(計測)をしないと信頼性が持てないっ、てところはどの方法も一緒ですけよね。FTPを計測したときの平均心拍数だって、(動態を判った上でなら)FTPと同様に信頼のおけるFTH(Functional Threshold Heart-rate)として使えるんじゃないかしら。