Decoupling Rateで基礎的持久力の評価

"ベースとなる持久力"を評価する方法を探してたらTraining Peaks.comのAerobic Endurance and Decouplingって記事が目にとまる。一定負荷で運動する際のパワーと心拍数の乖離率(Decoupling rate)をみる方法。
負荷は一定なのに時間とともに心拍数が徐々に増加していく血液循環系のドリフト現象は、よく訓練されているほど増加幅が小さいって話しがあります。それをネタに有酸素運動のベースのフィットネス具合を定量的に評価しようってのが方法が上記の記事。

Decoupling Rate
計算はWKO+でできるみたいだけど、パラメータも下記の4つだけなので自分で計算してもおk。
  • p1=前半の平均パワー
  • h1=前半の平均心拍数
  • p2=後半の平均パワー
  • h2=後半の心拍数
パワーの代わりに平均速度を使っても可、だけどその場合はローラーでやったほうがいいかも。パワーと心拍の乖離率は次の式で計算。
s1 = p1 / h1
s2 = p2 / h2
Decoupling-Rate= (s1 - s2) / s1 x 100
Decoupling rateが5%以下に収まるまで55〜75%FTPでLSDだL2だをみっちりやれ、ということらしい。

運動時間はどれくらい?
さて、その5%に収めるべき運動時間はどの程度?あまり研究されてないらしいけど、記事では経験的に2〜4時間の間で、レースの走行時間にあわせるけど2時間未満の場合は2時間やっとけみたいな感じに書いてある。ヒルクライムって(私の場合)40〜80分だけど2時間でいいのか? その辺ちょっと疑問をもったので要求される仕事量から計算してみるテスツ。
体重53kgの私が4.0w/kgで1時間15分(4500秒)間運動する際に発揮するエネルギーは
53kg x 4.0w/kg x 4500sec = 954,000J
で954kJ。私の場合70%FTPの135wattsで954kJを発揮するには
954,000J / 135w = 7066.66sec
なので1時間57分ってことで"2時間"か。仮に4.5w/kgを目指したとしても2時間12分とあんまし変わらない。

時系列に乖離率をプロットすると楽しい
昨日ローラーで3h@70%FTP、今日1h@70%FTP 乗った際のログを元に、時系列で乖離率をプロットしてみたらこんなになった。ウォームアップは別途15分。お尻痛防止のため10分毎に20〜30秒立ち漕ぎ。エアコンは26度設定で小型の卓上扇風機で送風(だけど相当に暑い)。水は1時間あたり1リットルちょいのペースで消費。


ブルーのラインが乖離率。今日の60分のほうが傾向としてマシだけど、いずれにしても40〜50分で5%超えちゃってる。[これはひどい]
血液循環系ドリフトの幅は脱水や消化状態や放熱もしくは献血(笑)などでかなり変わるので、繰り返しテストが必要だと思う。もいっこ乖離率を消費エネルギーのグラフに乗っけると面白い。
乖離率が5%を超える40〜50分の時点での消費エネルギーは約250〜370kJで、これは200wで走ると20〜30分で消費するエネルギー。関係あるか知りませんが今年のMt.富士では最初の20分で垂れててた記憶が鮮明によみがえります。遅筋が疲労せずに発揮できる仕事量 or 時間の指標って考えていいのかな。や、さらに冷却とストレス耐性コミコミの指標かな。
循環系ドリフトは指標としては使えそうってことになってるけど、因果関係はまだはっきりしてないっぽいので後で読んでみよう。