Mt.鳥海1stステージふりかえり

楽しみにしてた&楽しかった第23回矢島カップMt.鳥海バイシクルクラシック1stステージをログから振り返ってみるテスツ。とりあえずパワーの推移を標高と一緒にプロットしてみるとこんな感じ。黄色がパワー、ターゲットだった235w+-10%を緑の帯で示しています。

んー、後半の緩い登りと下りで下げ幅が大きいのが気になりますが、概ね収まってるのでおk。


事前のシミュレーション
今回は初参加だったので当初次のパラメータでシミュレーションしてました。
シミュレーションによる想定タイムは0:12:33。ここに折り返し地点での減速〜旋回によるタイムロスが加わりますが実測値0:13:16より43秒も速いですねw

実測データによる事後シミュレーション
実測の勾配データを使ってタイムが合致するようにパラメータを調整しながら再シミュレーションすると、速度の推移がほぼ一致することが確認できます。水色がシミュレーションの速度、赤が実際の速度。
再シミュレーションのパラメータは
シミュレーションのタイムは0:13:07。単純化のためにターンアラウンドとポジション変更は無視しています。

さて、事前シミュレーション・実測値・事後シミュレーションとで、それぞれ差が何故に生じるのかざっくり検討してみると...

1. ターンアラウンドの処理技術
1stステージは中間地点に180度のターンアラウンドがあります。ここでの減速〜旋回〜加速でタイムをロスするわけで、普段180度旋回なんかやらない私はスゲく慎重に回ってました。事後シミュレーションを見るとタイムトライアル中の速度の殆どがシミュレーションと同じか上回っているのに、このターンアラウンドでは速度低下の幅と時間が大きいです。これはヒドい。
アプローチの下りで早めに脚を止めさらに100mlだけ携帯してた水を飲んでいたのも大きそうです。不用意にリスクをとるよりマシかもしれませんが攻めなさすぎも問題だな。

2. 勾配データの精度とスムージング処理の影響
事前シミュレーションと実測タイムの差が大きくなった主な要因は勾配データの精度だと考えています。等高線由来の勾配データを作図するとこんな感じ。
事後シミュレーションの図と比べると、傾向は似ていますがそうとう差がありますね。等高線由来のデータを短い距離のシミュレーションに使うのはちょっと辛いかも。

あと、現時点のシミュレーションでは距離・勾配のデータを前後100mの平均勾配を元にスムージングしています(じっさいにはもうちっと複雑なことやってます)。これは等高線由来のデータでは欠落している橋や切り通しを補完し、ノイズを除去する目的で行っています。一般的なヒルクライムなどの距離があればだいたいうまくスムージングできているのですが、Mt.鳥海バイシクルクラシック1stステージのように短い距離の場合は「ならし過ぎ」な問題があるようです。
上記の図は前後10m平均で作ったデータなんですが、例えばALPSLAB routeから頂いたデータをデフォルトの前後100m平均で処理するとこんな感じ。
50m平均だとこんな。

無いデータを平均化して補おうとしてるので、いくら頑張っても実測データと同じ結果は得られない無駄なあがきかもしれませんがががが。
とはいえ、実測などで精密なデータを得られていても、スムージングがキツすぎるとやはり乖離が大きくなるので注意が必要な要素なのは確かです。現時点の印象ではALPSLAB routeのGPXは前後100m平均、Garmin Edge 705で計測したデータは前後10〜20m平均でスムージングするのがちょうど良いのかなという感じです。

4. 空力負荷装置の影響
あー、なにこのドラッグシュート.... スタートギリギリに整列したので、後ろのポケットにシューズカバーを入れっぱなしで走ってました。これはひどい。あぁ、これが最大の要因だ。うん、そうにちがいない。