ターンパイク 目標タイム別おすすめスプロケット特集

もうすぐスーパーヒルクライム in TOYO TIRES ターンパイク(同時開催JBCF箱根ヒルクライム)ですわね。例によってこのコースを一定ペースで走ったときの速度の変化を物理シミュレーションして計算し、その分布から必要なギア構成を考えてみます。

そのまえにコース断面のプロファイルと、昨年大会のゴールタイムの分布をみてみます。昨年の第1回大会は不参加でしたので、実際に参加されたPrinco Matsuriさんとtarmac2006さんから頂いたGarmin Edgeのログを元にしています。
スタート直後からはじまる9%前後の急坂がずーーっと続き、終盤には平坦と下りで50km/h超の高速セクションがある、なかなか悩ましいコースです。公式のコース情報も参考になるかもしれません。

ゴールタイムの分布はこんな。
1449人のリザルトを元に横軸がゴールタイム、縦軸が人数。横軸は対数変換してます。大半の参加者が52分52秒〜79分7秒の間にゴールし中央値は64分40秒でした。

速度の分布
このゴールタイムの分布を元に、
  1. 43分
  2. 52分
  3. 64分
  4. 79分
  5. 96分
でゴールする"一定ペース"で走った際の速度の分布を調べます。計算には上記のとおり実際に参加されたお二人から頂いた距離・高度のログを元に、脳内サイクリングのエンジンで速度の推移を物理シミュレーションして計算しました。さっそく順番に見ていきます。

43分
勾配が一定の区間が長いので15km/h付近で走る時間が突出して長いです。

52分
全体的に低速な左側にシフトします。こちらは12.5km/h付近が長い。

64分
さらに左にシフト。10km/h付近。

79分
こちらは8km/h付近か。

96分
6〜7km/h付近でほとんどの時間を過ごすことになります。

これらの速度分布図から目標タイムごとに中心的な速度域や最低〜最高の速度を予測できます。例えば第1回大会の平均的なゴールタイムである64分の場合、最低7km/hから最高52km/hの間で速度が変化し、ほとんどの時間を8.5〜11km/hで走ることが予想されます。

ギア構成
これらの速度分布を元に一定のケイデンス、一定のペダリングフォースをキープして走るためのギアを検討します。それぞれの速度分布図にフロント30、34、39T、リア11〜36Tのギアを装備しケイデンス80rpmで走った際の速度を重ねます。グラフの横軸が速度なのは共通で、リアのギア比はグラフの右側の目盛りで示します。お手持ちのスプロケットの最小・最大歯数にあわせてグラフを読み取って頂けると幸いです。

43分
このへんの選手でも34x25Tもしくは34x27T、34x28Tがあった方がいい感じでしょうか。もちろん39x25Tとかでもいけますが半分以上の時間をインナーローで走ることになる模様。

52分
このへんのタイムでフロント39Tがただの苦行になってきます。34x28Tでも半分以上の時間をインナーローで走る感じで通常のロード用コンポーネントでもけっこう大変。ロード用で考えるならリアディレイラーにTiagra 4600入れて34x30Tあたりが無難?もしくはMTB用のディレイラーで後ろ32〜34Tか、フロントトリプルで後ろ28〜30Tあたりが安心。
それか低ケイデンス高フォースで頑張る。

64分
平均的なゴールタイム64分が30x36Tとかでギリギリ80rpmに留まれるか...ってかんじになる。参考までにケイデンス60rpmまで落としてフロント34Tの速度(紫)を追加。この条件ならば34x32Tでかなりカバーできる。通常のロード用のコンポーネントでがんばるのはけっこう大変かも。

79分
こちらはケイデンス50rpmまで落としてフロント34Tの速度(紫)を追加した。34x34Tがあれば50rpmでほぼカバーできるか。

96分
同様にケイデンス50rpmまで落としてフロント34Tの速度(紫)を追加。34x36Tでなんとか。フロントトリプルなどで30x36Tがあればほぼ完全にカバーできます。


ケイデンスが低くなってもべつに終了とかそーいうわけではないので、これらのお話はあくまでも参考ということで。でも脚の負担を考えるとフォースが過度に高い状態(極端な低ケイデンスな状態)はあまり好ましくないので、できるだけコースとその速度分布に合わせたギアを装備して臨みたいものですね。

ってなわけでSuginoのウルトラコンパクトクランクかMTB用リアディレイラー+スプロケットを買いに自転車販売店に急げ!