2つの異なる装備・ポジションにおけるCdAの違いを統計的に推論・推定する

以前、iBike+DFPMでCdA計るとばらつくよって話し書いたけど、エアロなポジション・機材を選択するには計測値のバラツキを御して決断する必要がある。実験した結果に差があるのかそれとも誤差なのか、"なんとなく"ではなく統計的に判断したい。

で、このへんはRとかExcelで計算できるんですが、なんとなくCdAの差の検定ツールを用意しました。
CdAの差の検定ツール実行例
使い方は簡単。
  1. 比較したいポジションまたは機材の条件AとBを決定する
  2. 条件AとBで、複数回ランダムにCdAを計測する
  3. CdAの差の検定ツール上段に条件AのCdA、下段に条件BのCdAをカンマ(,)区切りで入力し、"検定する"ボタンをクリックする
p値が0.05未満ならば条件AとBの差は有意であると推論できる。逆にp値が0.05以上であれば今回計測した結果からは差があるかどうか判断できない。そして条件A-Bの差(信頼水準95%)の値から、条件AとBの差がどれくらいあるのか推定できる。

補足

この検定ツールはWelch's t testを実行している。計算されるp値について補足すると、p値は「"条件AとBの平均は同じである"と仮定したとき、入力したデータに差が無い、または極まれなデータを得てしまった確率」。p>=0.05ということは、「AとBは差が無い」もしくは「AとBの差は誤差に埋もれて判断できない」とかそんなかんじ。

条件A-Bの差(信頼水準95%)というのは、同じ条件で繰り返し実験したら100回のうち95回は推定した範囲の差が得られるよってイメージ。個々の実験がばらつくから差もばらつく。

小さな差を検出するには個々の実験の精度を上げるか、実験の回数を増やす必要がある。もちろん「誤差程度の小さな効果しか無いならこの変更は採択しない」という判断もアリ。でも、数秒差で勝敗が分かれる立場の人はこれらの小さな差異も拾わないといかんので、実験回数を増やして"分解能"を上げる必要がある。このへんはバラツキが判っていれば"分解能"と必要な実験回数が計算できるので検出力(power)でググってみるかんじで。