ミーのエスブイができるまで - Speedvagen Cross Machine


The Vanilla Workshopの2014 Speedvagen Cross Machine。シクロクロスとロードレースの両方に使える、私の、私だけのプライマリバイク。

「どんなバイクが欲しいのか?」かなり時間をかけて掘り下げてみると、ビビットなグラフィック、エロティックな造形、欧米人よりも小さな身体にフィットしつつも、バイク単体のスタイルを維持し、ロードとシクロクロス両方でちゃんと使えるセクシーなバイクが欲しかった。Vanillaなら実現できる?とメールしたのが始まり。


ジオメトリはフルカスタムだけどオーダーしたのは身体とのコンタクトポイントを決める3点だけ。
  • サドル高 663mm
  • "バー・スタック" (BB - ハンドルクランプ中心までの高さ) 596mm
  • "バー・リーチ" (BB - ハンドルクランプ中心までの距離) 464mm
ショートリーチのハンドルを使いロードとシクロクロスで10cmと9cmのステムを使い分けることと、身体と今のバイクの細かい寸法を伝えた他はSacha Whiteにすべてお任せ。Speedvagen Cross MachineのBBドロップはシクロクロス用としては比較的大きい75mm。この少し特徴的なジオメトリを設定する彼のバイクをちゃんと味わいたかった。


要件を伝えた翌日には"Hiroyuki Oyama (pending approval)"ジオメトリ案が届く。Look Ergo stemをOrbea Orcaに組み付け、バースタックとリーチを再現し2週間ほど乗り込んでOKを出したのが2014年4月末。
作業の進行とともにその様子をとらえた写真が送られてくる。自分のバイクとなる材料が下処理を施されて、 溶接され、塗装で仕上げられていく様子を見るのはすごく嬉しい。
そしてスケジュールどおり2014年7月上旬に完成。日本への輸送と通関を終えて、7月下旬に溶剤の香りにつつまれた真新しいフレームとビルドキット一式を受けとった。



マス・プロダクションの制約に囚われずに、自転車マニアたちが手間と意匠を惜しみなく注いで造り上げた美しい自転車。





まだ日が浅く、このバイクについて語れることは少ない。Kawasaki Green。総重量 7.6kg。意図したとおりのフィット感。全身の質量をクランクに叩き付けた時の弾けるような加速度がやたら気持ちいい。

これから沢山の時間と様々な経験を共にする、私の、私だけのプライマリバイク。大事にするけど酷使もするからよろしく。

今回は内証が主なので、 鼻につく感じの文体でお送りしましたブヒブヒ


* ジャパンカップ シクロクロスでシクロワイアードの取材を受け、筆者のアホ面とともに掲載されております。