剥がしたチューブラータイヤからわかること

なにもわかってない。
半年間使用したシクロクロス用チューブラータイヤを剥がし、その接着面を観察するといろいろ面白い。チューブラータイヤの運用経験が少なくて半年後に貼るとき絶対忘れてるのでメモ。

貼り方はいわゆるベルギーメソッド。リムベッド3層、ベーステープ側2層とCXテープ(とマウント時に塗布したグルー)。グルーはパナレーサーのリムセメント。マウント後に鉄パイプ上にタイヤを乗せ、体重かけて圧着。
だいたいこんな。

Enve SESリムへの下処理などは特になくアルコールで拭いた程度。タイヤ径とリムベッドの径が合わないので、リム中央にかなり分厚く塗布。

剥がれ方

  • 比較的剥がしやすい箇所と、酷く剥がしにくい箇所がある。
  • 剥がしやすい箇所はリムベッドごと剥がれる。
  • 剥がしにくい箇所はCXテープの粘りがリムに到達して粘っている。かなり強い粘りで剥がしにくい
  • リムの外側はリムベッドごと剥がれる箇所が多いが、リム中央は総じて剥がしにくい。リム外側までCXテープが到達している箇所は、直接剥がせない。
  • 一部CXテープの粘着力に負けてタイヤ側のベーステープが剥がれた。


かなり分厚くベッドを作ったが、マウント時に塗布したグルーの溶剤と圧着によってCXテープ成分?がリムまで達していた。
剥がしやすかった箇所はカーボンの剥離剤が残っていたから疑惑もあるので、来年どうなるか。

CXテープはリムとベーステープ間の接着力を高めるが、ベーステープとケーシング間は別。なのでベーステープはグルーでラップしてAquasureでサイドをコートするなどなど意識的なケアが必要なのがわかる。

タイヤの状態

後輪はベーステープとケーシングの隙間にすこし腐食跡があった。前輪にはほぼない。

前後で差異が生じた可能性の一つとしてリム幅の差が考えられる。Enve SES 3.4は前リム幅26mm 後ろ24mmのいわゆるファットリムなため、ベーステープやケーシングとの接合部はリム接着面に隠れてほぼ露出しなくなる。さらに前側がよりファットなため、水への暴露が制限されていたのかもしれない。
もう一つの可能性は、Aquasure塗布のしかたを前後ですこし変えていたこと。後輪はケーシング全体に厚塗り、前輪はケースに薄塗りだけどリムとケースの境界にはかなり強く押し込むように塗った。

どちらが効いたのかはわからない。もしもリム幅が効いたのであれば、シクロクロスでファットリムを選んだ意図通りの効果だが。はてはて。

10月にパンクしてStan's NoTubesのシーラントで修理した前輪にはまだ液体が残っている。前輪のものは損傷が少ないので再利用可能だが、CXテープがまだ粘着力を保っていて畳むと開けない疑惑。
後輪のものはベーステープ剥離、サイドウォールの傷と腐食跡がぼちぼちある。


今回はタイヤとリムベッド径の差異をボテ塗りグルーで合わせたが、Dugastはコットンのリボンで隙間を埋める方法をお勧めしたりもしてるので、次回は利用を検討してみても良いかな、と思っている。