影響されないように見える、という仮説。だけど要見直し。
Mt.鳥海バイシクルクラシックを楽しみにしていたのにはもう一つワケがあって、
- 「短い距離のタイムから長い距離のタイムを予測可能なのか？」
- 「短い時間に発揮されたパワーから長い時間発揮されるパワーを予測できるのか？」
- 「それらの関係は、訓練の度合いによって変わるのか？それとも変わらないのか？」
などなどを知るのに、1st・2nd両方参加されてる方のタイム差が良いデータになるんじゃないかと期待してたんす。このあたりはCritical Powerのモデルとかで既に述べられていることなんですが、実際の身近なデータで確認したかったんす。あと個人的に「ヒルクライムイベントに参加するホビーレーサー」という括りで、訓練の度合いがCPのカーブを大きく変えることがあるのか否か、とかそのへんに興味がありまして。
1st・2ndのタイムの関係
まず第23回Mt.鳥海バイシクルクラシックの1st・2ndステージ両方に参加された皆さんのタイム。横軸が1stステージのタイムで、縦軸が2ndステージのタイムです。
同じデータで横軸に2nd、縦軸に1stステージのタイムをプロットしたもの。
それぞれのデータから回帰式を導いて、1stステージのタイムから2ndステージのタイムを次の式で求めることができます。
T1: 1stステージのタイム[sec]
T2: 2ndステージのタイム[sec]
T2 = T1 x 11.2446 - 4088.4023
同様に、2ndステージのタイムから1stステージのタイムを求める式は
T1: 1stステージのタイム[sec]
T2: 2ndステージのタイム[sec]
T1 = T2 x 0.0661 + 487.2862
になります。僕の場合1stステージが796秒(13分16秒)、2ndステージが4833秒(1時間20分33秒)だったのですが、これらの式で計算してみると
796秒(1st) x 11.2446 - 4088.4023 = 4862.2993秒 = 1時間21分02秒(2nd)
4833秒(2nd) x 0.0661 + 487.2862 = 806.7475秒 = 13分26秒(1st)
と、確からしい予想タイムを得ることができます。
ただし、図を見るとわかるようにどちらかというと線形ではなくて2次曲線を描いているように見えるのが気になります。
1st・2ndのパワーの関係
タイムだと2次曲線になっちゃうけどパワーならどうか？ということで、それぞれのゴールタイムを元に全ライダーが同条件であると仮定し、脳内サイクリングのエンジンを使って、発揮していたと思われるパワーを類推します。仮想ライダーのパラメータはこんな感じ。
- 体重: 60kg
- 装備重量: 10kg
- Crr: 0.004
- CdA: 0.279
ここで得られた1stおよび2ndステージで発揮された平均パワーの関係をプロットするとこんなです。横軸が1stステージの仮想平均パワーで、縦軸が2stステージの仮想平均パワーです。
同様に、2ndステージを横軸、1stステージを縦軸にプロットしたもの。
こちらも1stのパワーから2ndのパワーを求める回帰式を求めると
P1: 1stステージの平均パワー[watts]
P2: 2ndステージの平均パワー[watts]
P2 = P1 x 0.8722 + 2.0582
2ndから1stのパワーを求める式は
P1: 1stステージの平均パワー[watts]
P2: 2ndステージの平均パワー[watts]
P1 = P2 x 0.8915 + 47.1818
といった感じになります。
体格や装備の差異や、集団走行時のドラフティングやポジション差異の影響などなどを無視した乱暴な計算ですが、まぁ面白ければいいのかなと。
パワーの関係は直線の上にまんべんなく分布している、ように見えます。そして、フィットネスレベルの高低にかかわらず1st・2ndのパワーの差の比率は同じように見えます。もちろん、フィットネスレベルごとのサンプル数が全然違うので「フィットネスレベルに影響されない」と言い切るのに問題がある。あと評価の仕方も適切なのだろうか。
オチとしては(タイムに関してはさておき)少なくとも11〜19分間と60〜150分間それぞれで維持できるパワーはちゃんと相関してるっぽくて、さらにフィットネスが異なっても比率はあまり変わらないように見える。という感想です。
あれー？でもおかしいな。1stパワー対2ndパワーはinterceptが2.0582だから比率が変わらないけど、2ndパワー対1stパワーのinterceptは47.1818だからフィットネスが低いほど差異が大きくなってるるるるる。
うぐ、見直しが必要かも。眠くなってきたのであとで(涙)